無学

荒野のストレンジャーの無学のレビュー・感想・評価

荒野のストレンジャー(1972年製作の映画)
4.0
とても好きな作品。
先日久しぶりに観賞して
やはりシビれた。

ジャイアニズム全開の怪作。

いやいや、剛田タケシには人間味があるが、そもそもイーストウッド演ずる流れ者は、町が見殺しにした保安官の「化身」「亡者」と見立てれば、
葉巻をくわえたイケメン魔太郎がくる!だな。

西部の魔太郎は色魔でもある。

抜く手も見せぬ銃の腕前は、西部劇においては「よっ✋」程度の軽い挨拶。
荒野の剛田魔太郎、
股間の飛び道具がイチバンえげつない!

性悪説に立ち、象徴的、観念的な描写が目立つファンタジックな作風は、
ウエスタン好きには嫌われ、既成概念を破ってきたレオーネ節やドン・シーゲル節でさえも壊すことでアンサー・ソングとするには、奇をてらいすぎていて、
イーストウッドファンでも評価が二分するかも。

イーストウッド自身が手掛けたからこそ「再構築」と捉えることが出来るも、
他者であれば悪質な「歪曲」とされ、
商業作品としては成功できないような、オタク好みのカルトムービーとして埋没したでしょうな。

スターリンの「ロマンチスト」を聴くような、主義否定を感じる。
ヒロイスト、ヒューマニスト、エゴイスト、ぜんぶブッコワス!!
みんなブッコロス!!
みたいなアンタは
ジャイアニスト。
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