ブタブタ

トレインスポッティングのブタブタのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.6
この映画が公開された96~97年はちょうど『エヴァンゲリオン』TVシリーズが終了、映画公開前夜で果たしてちゃんと完結するか否か、エヴァショックの真っ只中で他の作品を見た記憶がありません。
あの頃には20年たってもまだエヴァは完結してない何て夢にも思ってなかった(笑)

20年ぶりの『T2』公開前にやっと見ました。
当時のサッチャー政権下の不況と閉塞感、ドラッグとファシズム警察国家の取り合わせはディック原作キアヌ・リーブス主演の『スキャナー・ダークリー』やクローネンバーグが映画化したバロウズの『裸のランチ』を思わせますし、麻薬中毒の恐ろしさも勿論描いてますが、それより幻覚やジャンキーたちの悲惨であると同時にポップで楽しい毎日、絶望的なのに能天気で絶対こんな風になりたくないのに奇妙な「憧れ」を感じる世界。

死と幻覚にどんどん現実が侵食されて来る後半部と、便器の中にダイブする幻視世界、スタイリッシュな映像とスピード感。

ただ不満な部分は麻薬中毒者たちの特に何も起きない日常がメインなのでそこが少し退屈。
あんまり「青春映画」に興味がないので。
『スキャナー・ダークリー』はダニー・ボイル監督、と言うかこういうスタイリッシュな映像と演出で見たかったです。
ブタブタ

ブタブタ