神代辰巳の濃いところが堪能出来る本作
面白いかどうかは別にして監督の奇妙な演出がこってりと披露されている
アメリカンニューシネマの強い影響を受けていてほとんどパクリなんじゃないかというシーンも少なくない
時間が経って今見てみると全く架空の世界の話なんじゃないだろうかという印象も受ける
ただ人間への肉薄の仕方は異常だ
近すぎるのである
シナリオは割としっかり書かれているのだが、神代演出なのかアドリブなのか、細かいところで訳の分からない呟きや意味の分からない行動がてんこ盛りで、話の大筋はシナリオと変わっていないものの、全く印象の異なる作品に仕上がっている
アフリカに何があるのかは全く意味不明だが極寒の漁村でお金を稼いで遠くへ行こうとする若者二人の苦闘の物語である
ラストで素っ気なくショーケンはアフリカに行ったことになっているが、シナリオでは完全にアフリカ行きは諦めている
アフリカはただの幻想なのだが話に適当にオチをつけた神代辰巳のいい加減さにはなんとなく納得してしまう
ドラマを期待して見ると大きな肩透かしを食わされる作品である