まいとん

TENET テネットのまいとんのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.5
少なくとも2度見ないと理解出来ない難解映画
難解と言っても難しいという訳ではなくラストまで行って頭に戻るという構成で
そういう映画は他にもありますが
この映画は時間の順行と逆行というややこしい要素で映画のストーリーが作られているので頭に戻らざるを得ないのです
頭のオペラシーンに戻ると最後に明らかになる赤いリボンの男が逆行して出てくるのに気づくようになっています
初見で見た時は分かる訳もなく2回見ないと理解できないのです
なんなんだこれはといった感じです
映画全体がトリックになっていた「プレステージ」に近いです
肝心な中心ギミックのアルゴリズムとやらが最後まで何がなんだか分からなかったりするところも似ています
緻密なストーリー展開と映画のウソが混ざってるのです
順行している主人公と逆行している主人公が格闘するシーンがいきなり出てきますが、初見では何がなんなのか本当によく分かりません
青と赤の色分けも後で説明されるので、もう一度始めから見直さなければならないのです
ラストの坑道内の動きは異常に分かり難いです
ニールが逆行したり順行したりするのですが一切説明がありません
繰り返し見てみると彼がいかに献身的に動いているか…悲しいくらい自分を犠牲にしています

映画館で見ることが難しい時期に公開されましたが、むしろ配信やソフトで何度も見るのに向いている映画だったのではないでしょうか

「テストに合格したのは君だけ」と始めに言われますが、君の世界では君が主人公なんだよ、というシンプルですが哲学的な見解が示されています。
世界は広く果てしないかも知れませんが、自分の目で見るしかないのだから、自分の世界こそ全てなのです
というクリストファーノーランのいつものやつです