Kuuta

アメリカン・ビューティーのKuutaのレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
3.7
コメディタッチの家庭崩壊もの。やってることはホームドラマなのに、撮影が非常にパキッとしているのでカッコいい作品に仕上がっている。

歪なほど美しい赤、古い車、チアリーダー…。対照的にリッキーの部屋や風に舞うゴミ袋は白い。死とか、消えていくものの象徴?白と赤のアメリカ。白いタイルに飛び散る血。全体に色使いが目を引く。

娘が食卓の中心のレスター家。父が中心のリッキー家。シンメトリーな絵作りも特徴的。

アンジェラの部屋は他者の目線に満ちている。

古いアメリカに縛られた50年代好きの妻(金と性欲)と、ヒッピー的なレスターの対比。90年代の新たな希望が娘。家自体がアメリカの象徴で、リッキーがアメリカを外からズームして撮影している。

筋トレ中のケビンスペイシーの顔のキモさ最高。リッキーの父役、クリスクーパーのガレージのシーンの絶望感も素晴らしかった。74点。
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