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ヤングガン2の教授のレビュー・感想・評価

ヤングガン2(1990年製作の映画)
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すっかり一作目のことを忘れてしまった。
思い出の映画の一本でありながら、大まかなことしか覚えていない。
前作のクライマックスである「リンカーン郡戦争」のこともシーンは覚えていても、経緯は忘れてしまった。

そして本作。
大まかなストーリーラインは観ていれば追うことはできるのだが、正直「薄い」と感じる。
「お尋ね者」となった"ビリー"(エミリオ・エステベス)と散り散りになった「ヤングガン(ズ?)」たち。
しかし、逮捕からの脱走、逃亡が描かれ、仲間であったパット・ギャレット(ウィリアム・ピーターセン)の「裏切り」による追跡劇も、非常に淡白に描かれていて残念。
物語としての醍醐味は弱い。

それでも、映画として「保っている」のは、やはりエミリオ・エステベスの力演であり、キーファー・サザーランドやルー・ダイヤモンド・フィリップスや、クリスチャン・スレイターといった当時の旬な若手スターの「一生懸命さ」であったりする。

とにかく今にして思えば、まず「若い」。
ギラギラもしているし、キラキラもしていて、その上でそれぞれの役回りに精一杯のめり込み、ぎこちなさも感じるほど「入り込んだ」演技をしている。
「名演技」のトレンドも時代によって異なるが、ある意味での絶対的スターの不在の時代の、若手俳優たちの野心や向上心が透けて見えて興味深い。

CGのない時代の、当時は当然であるセット撮影やフィルム撮影の画面。
アメリカ映画のお家芸である「西部劇」としての80年代なりの原点回帰意識。
またタイムリーさを十分に意識した「若め」の俳優たちの起用。
そこに「アメリカン・ニューシネマ」的な風合いも入れつつ、青春映画の瑞々しさが溢れる点は嫌いになれない。

またサム・ペキンパー監督の「ビリー・ザ・キッド/21歳の生涯」を意識したであろうジェイムズ・コバーンの起用などの意図も感じさせる点も含めて、全体的に「頑張り」が伝わる映画。
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