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ミッドナイトクロスのMASHのレビュー・感想・評価

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)
5.0
デ・パルマの変態的カメラワークとサスペンス映画愛に溢れた映画。後の『ボディ・ダブル』や『殺しのドレス』もそうだが、モデルになった映画がハッキリしてる彼の映画は非常にクセが強い気がする。モデルとしてる映画にストーリー面ではかなり寄せている分、カメラワークや編集で自分らしさを強調だろうか?しかし、この『ミッドナイト・クロス』ではクセの強さがありながらも、『アンタッチャブル』や『カリートの道』のようなストレートな面白さも感じることができる。そういうデ・パルマ監督のいいとこ取りを堪能できる映画になっているのだ。

今回でも彼の変態的センスが炸裂している。最初の橋で音を取るのシーン、編集室(?)の中をやたらグルグル回転するカメラ、そしてこの監督お約束の分割画面や主人公とヒロインを回転しながら撮るシーン。それ以外にも普通の映画では観ないような映像が目白押し。そして、何よりそれら全てが物語のサスペンスを高めるのに一役買っている。

さらに、この『ミッドナイト・クロス』の凄いところは、エンタメ性が非常に高いということだ。二転三転するストーリーに、駅でのシーンのようなハラハラさせる演出、映画というものをトリックに陥れている巧みな脚本、そして何よりジョン・トラヴォルタ(僕が好きなだけ)。うまくは言えないが、ある意味不自然な演出としっかりとしたエンタメのバランスがこの映画は完璧なのだ。

最近になってやっとBlu-ray化されたが、個人的にはデ・パルマ監督の中でももっと注目されても良い作品だと思う。単純にサスペンスとしてすごく面白いし、なおかつ他の映画では観ることのできない新鮮な体験もできる。Blu-ray買おっかな〜
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