青二歳

二等兵物語 前篇女と兵隊 後篇蚤と兵隊の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

CD欲しい。在野の発明家伴淳が召集を受け兵営に。伴淳アチャコの松竹コメディ。戦後10年にして戦中を舞台に大らかな喜劇を作れる当代の映画人には感服するばかりですが、残念ながら公開当時の笑いのツボが微妙にズレてて分かりにくい所も。子役の子うまい。子供を兵営の便所に隠すのは与太郎戦記にもあったなあ。

終戦の報を受けた上官たちのある振舞いに憤った伴淳が、理不尽な兵営のならい、暴力、上官の下士官イジメを猛烈批判する訳ですが、その伴淳の訴えも愛国心を下敷きにしたもの。この悪弊を"戦中世代が映画化する"のは、反省であり日本が未来志向を向いている故なんだと受け止めています。戦後世代が戦中は暗黒時代で陰湿な人間しかいないかのように描くのとは違う。未来志向なんでしょう。
あるサイトで書いてあったがこれを“反戦映画”と言って“消費”する気にはなりません…(てゆうか反戦映画というキャッチコピーの冠をつけるのは信用できない…戦争を賛美してる映画なんてそもそも日欧米問わず戦中国策映画でもそうそう見れないのに、わざわざ反戦映画っていう冠をつけるのが違和感ある)
喜劇役者たちがスッとぼけた芸をして観客を笑わせたところでシリアスなドラマを持ってくるというオーソドックスな王道の様式で、戦中世代の未来志向に素直に心打たれました。

あ伴淳の徴兵検査では女装のうえに醤油か何か飲んで兵役逃れしてるそうですが(実話)。醤油て!女装て!乳母車よりエゲツない( ノД`)
青二歳

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