主人公がワルシャワ行きの列車に飛び乗る、あるいは駅員に制止される、あるいは乗り遅れるという運命の三叉路。その行く末、共産党員、地下出版組織の活動家、ノンポリの医者と、全く異なる道を描く。
幼少から父の期待に応えるべく生きてきた彼が、父の死を機に自ら道を選ぼうとしたにもかかわらず、列車に乗るか否かで思想も政治的立場も全く異る結末に至るという皮肉。
彼には双子の兄がいて、兄が死産し彼は誕生した。偶然から始まり数々の偶然によって今があるのが人生ということなのだろうか…。
キェシロフスキの作品はどれも余情が残りしばらくその世界から抜け出せなくなる。この感覚はとても好きだ。
ポーランドの歴史についても調べなきゃ。