ジョセフ・ロージー監督の人気作を鑑賞。
『下女』『パラサイト~』を彷彿とさせる主人と召使いの関係がいつの間にか逆転してしまうと言うお屋敷サスペンス。
ダーク・ボガードがなかなかの不気味さと曲者ぶりを発揮してた。
冒頭から醸し出す胡散臭さが抜群!
まんまと主人を手中に収めて行く強かさとどんぐり目の奥の企みにゾクッとする。
傍から見れば明らかに怪しいにも関わらず、意外と本人は気付かないのが恐ろしいところ。
と言うか、上流階級にありがちなのかなぁ。
これでもかってくらいの鏡の演出が一貫していて見事。シャープなモノクロ映像、スマート且つ滑らかなカメラワーク、更には計算された構図もカッコイイ。ムーディーな音楽にはオシャレ感も漂う。
…だからこそ、召使い夫婦の下品さがとんでもなく際立っていた。
個人的には若干不快味が強過ぎと感じてしまったけれど、イギリスの階級社会を皮肉り教訓めいたものさえ感じるサスペンスドラマだった。