ピュンピュン丸

男はつらいよ ぼくの伯父さんのピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

3.6
寅さん42作め。前作がウィーンで雰囲気ぶちこわし、さらにその前は現代的な短歌がチクチク挿入されて『サラダ記念日』とか言って、寅さんの雰囲気を壊していた。それに比べると、今作は日本史をからめたりして純和風な雰囲気が漂い、まずまずといったところ。
恋の主役は、寅さんでなく、完全に満男になっている。そういう意味では、マドンナは檀ふみではなく、後藤久美子。
高速道路をバイクで走るシーンやそのときのBGMはもはや『男はつらいよ』ではない。またしても、雰囲気ぶち壊し。本作くらいから渥美清の体調が悪くなったらしい。映像からはあまりわからない。首筋はだいぶ歳を重ねてるが。
あけみがお払い箱になった意味もこれでわかった気がする。あけみがいると、今までの流れ的に、満男とゴクミの恋の指南役は「あけみ」になってしまう。そうなると、寅さんの出番が なくなってしまうのだ。