このレビューはネタバレを含みます
私、これ好きです。
印象に残るような大事件は起きないし、何か特別な料理が出てくるわけでもなく、南極っぽさを感じるのは一面の雪景色くらい。
隊員たちはそれなりにスペシャリストなんだろうけど、凄い仕事をしているようには全く見えない。
なんなら「良い年したおじさんたちが秘密基地作って遊んでるだけ」に見える。
でも、それが良い。
観測隊の8人はそれぞれ個性的だけど、8人が揃ってるシーンで悪目立ちする人はいなくて、黙っててもそれぞれ存在感がある。
大爆笑はしないけど笑える空気はずっと流れてて、クスリとするシーンがたくさんある。
そんな温かい空気が流れていたことが良く分かるのが、唐突に訪れた帰国の日。
もぬけの殻となった観測基地の寂しさったらない。
部屋で観てたのに、なんだか部屋の温度も下がったような寂しさを感じてしまった。
何も起きないし、強いメッセージ性があるわけでもなく、毒にも薬にもならない映画だと思ってたけど、私はおじさんたちのワチャワチャした姿に癒されてたわけだ。
小学生8人が公園で遊んでる姿より、おっさん8人が公園で遊んでる姿の方が、絶対見てて楽しいもんなー。
仕事を引退したとき、「秘密基地作ろうぜ」と言って乗ってくれる仲間が8人いる人生を送りたい、そう思った。