すべりのっと

食人族のすべりのっとのレビュー・感想・評価

食人族(1981年製作の映画)
4.1
アマゾンで行方不明になった撮影隊を現地軍と協力し捜索隊を編成し教授がアマゾン探検隊する前半、
教授が撮影隊のテープを持ち帰り世に出せる内容か検証する後半という組立の本作。
教授が撮影隊のやらかしや現地の風習を頼れる仲間と共に乗り越えていく前半戦は奇妙だが胸熱でもある冒険。人食いはあるが、嫌な感じでもない。
別の文化に触れるリスペクトを描いている。

その前半を受けて問題は後半戦。
見事に真逆の内容。
撮影隊はヤラセで過激な映像を撮ろうとするゲス集団であったことが明らかに。
襲撃を演出するために銃で脅し集落の家畜を殺し家を燃やし尊厳を踏み躙り高笑いする様は反吐が出る。
暴力の報いは暴力を。
彼等の運命は決まっていた。

割と社会派なテーマがあって見応えを感じた。
記録映像は1ジャンルとなっているPOVの元祖の一本といってもいいだろう。
この作品へのリスペクトを感じた作品もある。
記録映像を見終わったあとのTV会社のプロデューサーや重役のお通夜みたいな空気感が好き。