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12人の優しい日本人のOBのレビュー・感想・評価

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
4.5
三谷幸喜脚本の最高傑作(だと思う)。

当時、日本に陪審員制度があったと仮定した場合の、その審議経過を描いたワンシチュエーションコメディ。

どんな組織でも必ずいそうな日本人が12人+2人登場し、1つの部屋で2時間会話するだけの映画。(音楽もほぼ無し)

と聞くと、ホント面白いのかと思うだろうが、練り込まれた脚本に基づく会話が最初から最後までキレッキレで全く目が離せなくなる。

自分は勝ち組だと(思い込んでる)人、自分の意見を曲げない人、終始日和見な人、自分はロジカルだと思っているが全く違う人、勢いだけの人、全く発言しない人、興味の無い人、単純にいい人、等々。

この、いわゆる日本人達が、最初は表面のキャラ通りな振る舞いを行うが、徐々に本音発露、メッキ剥れ、内に秘めた力発揮、していくことで、表面上の負け組が形成逆転していく過程が実に痛快。

その劇中で用意周到に伏線を仕込み、見事に回収していく構成も秀逸。

必ずしも好人物だけではない面々だが、2時間過ぎて一人一人が退場していくラストシーンになると全員が愛おしくなっている。

「12人の“優しい”日本人」というタイトルも見終わると納得。


これが面白いと思う人は「キサラギ」もお薦めです(笑)
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