は

ストーカーのはのレビュー・感想・評価

ストーカー(1979年製作の映画)
3.5
救済でもなんでもなくて、ただ受容する話なのではないかと思いました。
人生は苦しいものであるという前提ありきで、無我の救いの手を差し伸べようとするストーカー。
神秘主義的に真理を追求して解脱しようとする面があるように見える。
教授は物理学的な観点から真理を追求し、作家は芸術性の観点から真理を追求することを目的に、または追求の結果、ゾーンを利用しようとする。
部屋に行けば真理に辿り着けると思っていたが結局は神秘性がそこにあるだけで求めていたものはなかった。
求めているものが現れたとしても、それは無意識下にある本物の欲求だから、二人が部屋に求めることとは異なったものなのだろう。
思想の異なった二人に無我の救いの手を差し伸べることは、結果としてストーカー自身が辛い思いになるだけだった。
大それた目的を実行しようとするよりは、3人の家族で仲睦まじく生きる方が自身の為になる場合もあるのではないだろうか。
ゾーンに行って帰ってきたことで、その象徴である犬と歩けなかった娘の回復があることによって、神秘性がゾーンから家族へ移行してきたのではないかと思います。
経験主義によって神秘性を信奉出来るようになったストーカーだからこそ家族という組織に神秘性を宿すことができたのかなと思います。
ただ、それは救いではなくて、元々存在していたものに再度目を向けたら救いのように思えただけで実際はただ現状のあるがままを受容出来る様になっただけなんじゃないかって思いました。
救いのある部屋があるからと言って安易に頼ろうとしない教授と作家に人間の力強さを感じるとともに宗教の廃れていく匂いも同時に感じました。
難しくてよくわからんかったです。
は