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楢山節考のfishmuttonのレビュー・感想・評価

楢山節考(1983年製作の映画)
2.9
貧しく厳しい山村では、70歳になる老人を山へ“還す”風習があった・・・という話。
社会が村と家族という、閉じたコミュニティーでの人間関係と生活が描かれている。

こういうどこかにあったかもしれない物語、商業主義的なエンタメ作品とは違う面白さがあると思う。

役者たちが良かった。
特に、あき竹城が好きだった。かわいい嫁さんだった。
おりんさん(婆さん)、物わかりが良すぎるというか、見通して飲み込む覚悟がすごいというか。
逆に、息子は視野が狭いというか、その場の情に流されて先を見通せていない奴だなと思った。

途中で差し込まれる野生動物のカットも良かった。人の生活のすぐそばにいる感じが、私には新鮮だった。

奴は労働力として奴隷化した次男坊らしい。子供増やすと困るから、結婚・子作り特権は長男のみ。でも、労働か性交かみたいな村だとすぐ子供は出来る。男は捨て、女は育てて売る(場合もある)。田圃に水子が衝撃だった。
性欲って強烈な欲望なんだなあとぼんやり思った。

ラスト、腹・腹・息子に冬の厳しさを感じると共に少し笑ってしまった。
エンドロールの「カラス捕獲飼育」が気になった。
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ある山村では、70歳になる老人を子が担いで山へ還す、「楢山参り」という風習があった。りんは次で70歳になる。夫は自分の母の楢山参りを拒否し行方不明になった。女手一つで子供を育て、年老いた今でもよく働き孫の面倒も見ているりん。そんな母を深く愛する息子は、「楢山参り」の時が近づいていることに心中穏やかでなかった。

口が臭い次男坊(くされ/やっこ)/息子の長男(歌で婆さんからかう/まつと交わる)/山向こうから嫁に来たたま(あき竹城)/まつ(顔に痣)/まつの家族/鼻が利かない婆さん/
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