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子猫をお願いのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

子猫をお願い(2001年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

仲良しだった女子高生5人組の、卒業後の人生を描いた作品。

どんなに仲の良い友人でも、大人になると疎遠になっていくものですが、本作の登場人物はその真っ只中にいます。

それぞれが自分の人生を歩み出し、5人で集まる機会も減れば、共通の話題も減っていくばかり。
たまに集まっても、この関係はもう長く続かないんだろうな…という儚さすら感じさせます。

しかし、だからこそ、5人が集まった時の掛け替えのなさ、その煌きがキャプチャーされていて、グッと来るものがありました。
寒い中、皆で集まって、バスに乗って、街に遊びに出掛ける…そんな些細な一日がどれだけ貴重で尊いものなのか。
かつて、彼女達の様な青春を過ごしてきた大人の観客程、響くものがあるのではないでしょうか。

物語の軸となるのは、ヘジュとジヨンという対照的な2人の女性。
都会に染まり、すっかり物質主義になってしまったヘジュと、就職すら出来ず、地元で祖父母と貧困生活を続けるジヨン。
最終的には、ただの雑用係に過ぎない…機械の様に扱われるヘジュに対し、テヒとの血の通った友情を手にするジヨン。
テヒは終始、自分の生き方に迷っていた様でしたが、困ってる友達を見捨てないという事も、人生における大切な指針になる得るのかもしれません。

友人に限らず、大切な人との関係は、いつまで続くか分からない。
だからこそ、その一瞬一瞬を大事にして、繋がりを守っていかないといけないんだなと思わされる作品でした。
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