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タクシードライバーのdendohのネタバレレビュー・内容・結末

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

スコセッシ監督新作を観たのをきっかけに、存在を知りながらながらく放置していた往年の同監督作品を観た。当時はエポックメイキングなことをやったのかも知れないが、初見では本当に意味が分からなかった。

働く女性やウーマンリブの単語が出てきたので、途中まではフェミニズム視点でのトキシックマスキュリニティを描いた映画なのかなと思った(女性とポルノ映画を観ようとしたり、ストーカー行為を行ったり、ほんのりとそういう意図はある気がする)。

ただ最後にトラヴィスが英雄扱いされるのに全く納得がいかない。正義感じゃなくて『殺せるなら誰でも良かった』から、都合のよい売春斡旋者達の命を奪ったというだけだよね。途中で政治家を暗殺しようとしてるしね。
事件現場で暗転してEND(トラヴィスの生死はぼかす)で良いでしょ。ラストのアイリスパパの手紙や、ベッツィーとの別れのシーンとか本当に要らない。というかベッツィーがトラヴィスに少なからず好意を抱いている理由が全くわからない。無教養だし、最初からストーカー気質あったし、何が良いのか。

取り敢えず脚本背景や本作の歴史的意義は別で調べようと思うけど、初見感想はこんなところ。


(追記)
トラヴィスがベトナム帰還兵であるという視点が欠けていた。いや元軍人であることは冒頭描写で把握していたが、そう言えば時代的にそうなんだな。それを踏まえるとトラヴィスが心に孤独を抱えている理由が腹落ちする。ジャンルが全く違うけど、ランボーを観たら良い補完になるかも?
それでもトラヴィスが少女を助ける行為は要らぬお節介だったと思うし、人間的な魅力がミリも感じられないというのは変わらない..
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