ハクリヨクコ

転校生 -さよなら あなた-のハクリヨクコのレビュー・感想・評価

転校生 -さよなら あなた-(2007年製作の映画)
4.5
あれ…?おれこの映画見たことあ……あっ、これリメイクなのね、そうだよね、転校生。見た見た見た!などと言いながら見ました。映画に対する自身の雑さにほとほと呆れた…。
旧版との比較で話したいところなんだけど、ともかくカメラワークうっま!無駄にテクニカル。必要とかそういうことじゃない…遊び心、それが映画だ!みたいな感じ…だと思う。やばし。
冒頭の下校シーンには過剰な映画的技法とともに、青春が詰まっているように思った。また見直したい。

で、旧版との比較ですが、蓮佛さん演じる女の子が、冒頭から下ネタなんてなんのその、みたいなキャラで登場する割に、体が入れ替わってから、すごく普通の女子っぽい性格に早変わりするのに違和感を感じた。体が入れ替わってるから見過ごされそうではあるけど、おかしくない?
あと、主人公二人がお互いを好きになる理由付けが弱すぎる。幼馴染で体が入れ替わったから、もうこれは好きになりますよねー、みたいな雑さを感じた。旧版にはぜんぜん感じなかったことなので不思議。現代風にアレンジしたことで、脚本上大事ななにかが抜け落ちたとしか思えない。
なので結末もいまいちのれなかったけど、それを描いた大林さんの気持ちとその衝動みたいなものはなんとなく理解できる。
ただ、おれだったら、ここで寄りで、ここでひいてこうでこうでこうだなー、とかなぜかカット割が気になった。そういうところで大林さんに手放しで賛成じゃない自分がいる。

しかしなにはともあれ、制服の女の子がパンツを見せながら田舎の町並を駆け巡る青春映画を、つい5年前に作ってくれていたということに、なにより救われた。こういう映画はまだ存在できるはずだと強く思うけど。
大林さんも強く思ったであろうことは間違いない。
そのエロさを評価したい。

大傑作と評判の「この空の花」、見損ねてるので見たい。
ハクリヨクコ

ハクリヨクコ