前半は小津への目配せがこれみよがしで説教くさくて余計だなぁと思ってみていたけれど、2人がいよいよ行く当てがなくなってから、ドラマが熱を帯びてきたように思う。
いま思うと、最後の蒼井優の告白はまったく小津に似ていなかったけれど、一番小津映画に近いエモーションがあったかもしれない。あぁ！そんな気がしてきた！
個人的には日本の葬儀にまつわる諸所の佇まいに美しさを見てしまう。どうもお世話様でしたなどと挨拶している姿をみると綺麗だなぁと思ってしまう。
なにより現代の風景にまっすぐカメラを据えているところに、背筋を伸ばされる。山田さんの現代劇がもっとみたい。暖かい眼差しで見つめてもらいたい。
というわけで心も暖まるし、蒼井優が急にナチュラルにタメ語になってざわっとするので5点にします。
