Kamiyo

セーラー服と機関銃のKamiyoのレビュー・感想・評価

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)
3.5
1981年 "セーラー服と機関銃" 監督 相米慎二

~さよならは別れの言葉じゃなくて 再び逢うまでの遠い約束~
薬師丸ひろ子が機関銃をぶっ放し、”カ・イ・カ・ン”と息を
漏らすシーンはテレビのスポットCMで何度も流れた。
これぞ角川映画の真骨頂。赤川次郎の原作は映画化に合わせ
角川書店から文庫化され、専属女優の薬師丸が歌う映画と
同名の主題歌は彼女のデビュー曲となり映画と共に大ヒットした。
まさに映画、出版、音楽の相乗効果による
メディア・ミックスの成功例と言える。

そうでなくても、こんなシーンがあったんだと思うようなところが
いくつもあり、記憶力の減退に驚かされるが
何回見返しても面白いことは確かである。

冒頭の赤い口紅のシーンや、ラストの赤いハイヒールを履いてマリリン・モンローよろしく地下鉄の通気口の上でセーラー服のスカートを膨らませるシーンを新宿の雑踏の中で街頭ロケした信じられない様な
シーンの記憶が蘇ってきた。

ストーリーは陳腐すぎて、内容を改めて云々しても始まらない。
薬師丸ひろ子のはじける若さとヤクザの組長というコラボレーションで、悲劇的結末になるものの、全く悲壮感を見せず、笑い飛ばせるコメディに昇華させた相米慎二の手際に魅了される。

渡瀬恒彦演じる佐久間がカッコいい…。見た目だけじゃなくて
内面から溢れ出るタイプのカッコ良さ…。兄貴とお呼びしたい! 
泉にとってもうひとりの父であり、初恋の人でもあるという複雑な関係を、上手く演じているなと思いました。

あまりにも有名なラストシーン―。
機関銃をぶっ放してからの、「カ・イ・カ・ン…」。
「エロいなぁ…」と初めて観たときに感じました。
吹き飛んだ飴ガラスの破片が、薬師丸ひろ子の頬を直撃して、出血するというハプニングがありながら、それでもカメラを止めなかったことで生まれた、屈指の名場面…。
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