TAK44マグナム

ブルージーン・コップのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ブルージーン・コップ(1990年製作の映画)
2.8
終末・・・もとい週末はヴァンダム!

みんなのヒーローと言えばジャン・クロード・ヴァン・ダム!
そう、股割り世界一の男です!
毎度毎度、ぼくらのために悪いヤツをボコボコにしてくれる
ヴァンダムさんが本作で挑むのは、凶悪犯が収容されている刑務所でおこっている謎の囚人殺人事件を解決するという難題であります!
なんといっても刑務所に囚人として潜入するので中では孤立無援、まわりは敵だらけ!
万が一、刑事だという正体がバレたりしたら即、あの世行き決定じゃないですか!
そんなデンジャラスでインポッシブルなミッションなのに、往年のアイドル女優であるシンシア・ギブが偽奥さん役で協力してくれるってんで、鼻の下をのばしているのを隠しながら潜入捜査開始DEATH!
あ、タイトルになっているブルージーンってのは囚人が履いているデニムからですよ。原題は全然違いますけど。

脚本は、これがデビュー作となる「バットマンビギンズ」のデヴィット・S・ゴイヤー。
どこまでが彼の脚本どおりかは分かりかねますが、後半にいくにしたがって、展開がどんどんと雑になってゆきます。
かなり強引に、勢いにまかせて事件を解明していっちゃう感じなので、そんなにヴァンダム刑事が優秀にも思えません。
テキトーに行動していたら、なんだか知らんけど助けてくれる仲間が出来たり、シンシア・ギブとも唐突にエロエロ関係になれたり(肝心なシーンが無いのが哀しい)、色々あるうちになんだかんだ言って事件の全貌がわかっちゃいますよ。
黒幕とかも、もうどうでもいいや!と投げやり。
とにかく全てがお粗末さんなので、これは監督の問題なのかもしれません。
雰囲気だけの映画になっちゃっているんですな(苦笑)。

ヴァンダム印のアクション映画として見た場合、勿論、格闘場面もあるにはあるんですが、どれもあまりぱっとせず残念。
またもや登場するアル・レオンが鎖を振り回してきたりしても、ヴァンダムの回し蹴りだけで片がついちゃいます。
というか、本作において、回し蹴り(と、ラストの飛び蹴り)以外のヴァンダムはメチャ弱い!
アクションよりも事件の謎を追う面を重要視してしまった為なのか、どうにも爽快感の無さが浮き彫りになる格好。
ラスボスとなるサンドマンとの対決も、煽るだけ煽っといてこれかい!って感じで、サンドマンが何をしたかったのかイマイチ意味不明ですよ!
サンドマンを演じたのは、「クラス・オブ・1999」でターミネーター先生だったパトリック・キルパトリック。
どうでもいいことですけど、名前をカタカナ表記にすると「パトリックがパトリックを殺す」という意味にもとれますね、この人(苦笑)。

ステレオタイプなパソコンオタク少年とか、囚人たちを仕切る大物黒人とか、ホルモン注射うちすぎなオカマちゃんとか、それなりに面白くなりそうなキャラクターも出てくるのに、どれもこれも勿体ない使い方をされちゃっているのもイマイチな理由のひとつですね。
もう少し煮詰めて撮っていたら、けっこうな良作に化けたかもしれないのになあ。これからブイブイいわせようとしていた頃のヴァンダムが誇れる主演作品に成り得たのに、結論からすれば、単なるB級ボンクラ映画のなりそこないでフィニッシュです!

ただ、ヴァンダム的には、シンシア・ギブとの撮影が楽しかったからヴァンダホー!と、きっと思っているに違いないですよ。
そんなところもひっくるめてのヴァンダム映画なのであります!


追記です。
そういえば、この映画、なにげに「ショーシャンクの空に」や「スパイダーマン」にセリフやシチュエーションがパクられている節があります。気のせいかも知れませんが、もしそうなら流石はデヴィット・S・ゴイヤーという事になりますね。


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