アガサのオールスター作品。
さすがに小粒にはなったが、ロディ・マグドウォールやジェーン・バーキン、ジェイムス・メイスンなど個性派な俳優が揃っていて楽しめた。
しかし、フーダニットとしてはいささか簡単すぎて、途中ですぐに犯人とトリックがわかったし、事件が起きるまで1時間もかかっていて、少々ダレたと思う。
でもそこはガイ・ハミルトンの演出が、手堅くまとめ上げていたので、意外と楽しめたのだと思う。
相変わらずの飄々としたロディ・マグドウォール、頑固親父的なジェイムス・メイスンも良かったし、マギー・スミスが若くてとても魅力的なのもビックリした。
でもやはりジェーン・バーキンでしょう。いつもの気怠くて、猥雑な雰囲気は無かったが、気弱で鈍臭い妻と、気高くて性悪な愛人を、見事使い分けていたのが素晴らしかった。
最後にピーター・ユスチィノフのポアロは、下品で目立ちたがりのアルバート・フィーニーのポアロより上品で良かったけど、やはり「名探偵ポアロ」シリーズのデビッド・スーシェには及ばなかった。やはり、彼が一番の適役だと改めて思った。