課長とヒロシ

チャイナタウンの課長とヒロシのレビュー・感想・評価

チャイナタウン(1974年製作の映画)
4.2
課長:『ワンス・アポン・タイム・イン・ハリウッド』の所でも喋ったが「シャロン・テート事件」後のロマン・ポランスキー監督をアメリカに呼び戻した原因となったフィルム・ノワールの名作だな

ヒロシ(以下ヒ):パラマウントで『ゴッドファーザー』など数々の名作を世に送り出した名プロデューサー、ロバート・エヴァンズさんの独立後の第1作目で、ポランスキー監督に依頼する時に、監督の最新作「欲望の館」の興行収入と同じ額をギャラにすると言って口説いたそうです

課:結局、「欲望の館」は大コケしてギャラは破格の安さになったけどな

ヒ:映画の出来が悪いと判断して狙ってやったみたいですからエグいですよね(笑)

課:まあポランスキーも結構な変態だから良いんじゃないか?本作はフィリップ・マーロウをモチーフにした探偵ものだが、脚本は主演のジャック・ニコルソンを当て書きにしてるから、まんまニコルソンの素のキャラが拝めるぞ

ヒ:まあ翌年に『カッコーの巣の上で』でアカデミー主演男優賞を取りますから、どんな役でもできる俳優さんですけどね(笑)

課:そんなアクの強いニコルソンに負けてないフェイ・ダナウェイとジョン・ヒューストンもエグいけどな。ラストシーンを巡ってポランスキーとエヴァンズが対立して、撮影直前までラストの展開がわからなかったり、撮影終了後音楽がダメだと言うことで、急遽依頼されたジェリー・ゴールドスミスが曲を1週間で用意したりなど、何かと昭和的な力技エピソードが散見されるが、ストーリー、キャラクター、そして世界観と高いレベルで融合した名作だな

ヒ:あと「チャイナタウンは怠け者の街」っていうセリフの意味を知ってると全体の余韻が違ってくると思います

課:主人公はチャイナタウンの元警官なんだが、まあ要するに、利権が絡み合って複雑な街なので、積極的に取り締まろうとすると逆に犯罪を増やしてしまうんだよな。だから警官はある程度怠け者でいた方が良いっていう意味だ

ヒ:ご説明ありがとうございます!(笑笑)

ストーリー 4
キャラクター5
世界観   4
演出・演技 4
音楽    4
時計勿体なくない?度99
課長とヒロシ

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