takanoひねもすのたり

イヴの時間 劇場版のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

イヴの時間 劇場版(2009年製作の映画)
3.3
アンドロイドが実用化されて久しい。
人間型ロボットは頭の天辺に光るリングがつく。それがロボットの証明。

高校生のリクオは、家にいるアンドロイド・サミィの行動記録をみて不審なログを発見する。
友人のマサキとGPSを辿りついた先は、不思議な注意事項が書かれた看板の喫茶店。そこでは客が静かに思い思いの時間を過ごしていた。
誰がアンドロイドか人間か分からない空間。 そのお店の名前が『イブの時間』

一方でアンドロイドに精神依存する人間が増加の一方のため『倫理委員会』が動くことに。

背景に『倫理委員会』の存在があるけるど、物語全体はゆったりしたお話で、とある喫茶店に集うみんなとの交流だったり打ち明け話だったり、偏見を直せたり、頑なな心を溶かしたり。

リクオがサミイに覚える感情も『らしいな』と思いますが、マサキの家のテックスのエピソードが愛おしく可愛い。
子供頃の親友だったテックス、しかし父親は『倫理委員会』の人間で必要以上に息子に関わらせないように命令した。結果マサキとの会話を禁止され、子供マサキは口をきいてくれないテックスに裏切られたと思い号泣。
以来ロボットへの過度な愛着を否定するように。
しかし、この喫茶的にくれば父親の命令が一時的に外されマサキとテックスの会話が可能になった。
氷漬けになった友情が溶けた瞬間。
微笑ましい。

先日みたニュースで不気味の谷を超えた人間型ロボットを見た。
技術はここまで進んでるんだなあとしみじみ。
この映画の中のような時代は近いのかも。