りょう

レオン 完全版のりょうのネタバレレビュー・内容・結末

レオン 完全版(1994年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

大学でのテストが終わり、見たいと思っていた作品を自粛期間中に見てしまおうと考えていた。そして1番初めに見たのがこのレオンという作品だ。偏見ではあるが、悪いことに憧れてタバコを吸うような人が好んで見る映画といったイメージだったが、この作品を見た後ではその評価は大きく変わった。

大まかなストーリーは、家族を殺された女の子が一人の優秀な殺し屋と出会い「掃除」の方法を教えてもらう中で恋に落ちていくと言った話だ。個人的にとても好きな設定だが、復讐心と恋心を同時並行で持つ女の子に少し違和感も感じたが、子供ということで納得した。ただ麻薬を隠した父親がなぜ素直に麻薬出さなかったのかが理解できない。

この作品では早く大人になりたい女の子マチルダと子供のまま大人になったレオンを対照的にえがいている。家族が殺されてしまう前にマチルダがレオンに「大人になってもつらい?」と尋ねる。それに対してレオンは少し時間を置き「つらい」と言う。時間を置いたのは、暴力を受けているのはわかったが、大人としてはどう発言したらいいのかわからなかったからだ。レオンは発言に間置くことが多い。正しい学習を受けてこなかったため思考がまとまらないのだろう。そう言った意味でもレオンは子供のままだ。しかしレオンはマチルダと出会い変化する自分に気づいていた。だからマチルダの敵を打つことで、自分も大人になろうとしたのだ。またマチルダがタバコを途中で捨てるシーンがある。これはマチルダも無理して大人になることをやめたのだ。敵を打ち、ありのままの自分を認めてもらおうと考えるのだ。敵こそ打てなかったものの、その晩にマチルダはレオンが買ってきたドレスを着る。いつも着ていた大人のようなオーバーサイズの服から体にあった服へと変化するのは無理をして大人ぶることをやめた表れだ。そして二人は同じベットで寝る。頑固なマチルダも大人になったためかそれ以上のことは無理強いしなくなった。マチルダがトニーに殺し屋の仕事がしたいと言った時トニーは「まだ12歳だ、いい加減にしろ」と言うとマチルダは何も言い返さない。あの時、自分が子供であることを認めたのだ。だから言い返せなかったのだ。

印象に残ったシーンは、マチルダが殺された家族の部屋を通り過ぎてレオンのいる部屋へ行き「開けて」と頼むシーンだ。あのシーンには焦燥とときめきを感じた。あのシーン以前からマチルダは可愛いかった。しかしそのシーンで確信に変わった。可愛い。

この作品にはマチルダとレオン、この二人の良さが敷き詰められている。あの2時間ちょっとという時間が彼らを魅せるのに1番良い時間だったと思う。服装に生き方、タバコに憧れる人間がいるのも理解できる。この作品の影響などと言ってタバコを吸う人間は、そもそもタバコをかっこいいと思っているからだろう。なぜならこの二人に憧れているなら毎日牛乳も飲むはずだからだ。
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