りょう

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来のりょうのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2回に分けて視聴。圧巻とも言える戦闘シーンに見終わった今でも興奮がおさまらない。映画の枠にとどまらずもっともっといろんな彼らを見たいと思えるそんな作品だ。

大まかなあらすじは主人公である妖精のシャオヘイは人間に襲われているところを同じ妖精のフーシーに助けられる。ずっと住むところのなかったシャオヘイはフーシーの優しさに触れ、食を共にし、フーシーとその仲間たちに心を開く。しかし次の日人間にも関わらず妖精4人を圧倒するほど強い執行人ムゲンがフーシーを狙いなんとかフーシーは逃げ切れるものの、シャオヘイは捕まってしまう。そして敵として頑なに仲良くしないシャオヘイと、冷淡かつ不器用にシャオヘイと向き合うムゲンの旅が始まる。旅の中で妖精として才能のあるシャオヘイはどんどん力を伸ばしムゲンの仲間の妖精たちとも出会う。そうして人間とは本当に恨むべき存在なのか、自分が信じるべきなのは妖精のフーシーか人間のムゲンか、自分の居場所はどこなのかを発見していく物語である。

この作品で一番のおすすめのポイントはなんと言っても戦闘シーンである。一番初めの青い炎と自由に操られる金属との戦いではすぐに心を奪われた。目で追えないほど素早いものの、大きく派手な動作で、スムーズに頭に入ってくるような戦闘シーンだったのでストレスがなく理解しやすかった。また、戦闘のスケールがとても大きく一つの部屋であっても縦横無尽に戦い、広いフィールドではその広い土地を利用した想像をはるかに超えるような大きな攻撃を繰り出したりと単調になりがちな戦闘シーンにおいて1秒たりとも目が離せなかった。特にどれだけ場所が広くとも戦闘シーンが基本的に一対一なのも面白さにつながっていると考えられる。広大な土地を二人だけで戦うという贅沢さと今までに見ない戦闘シーンがとても面白かった。個人的に岩やビルにポッカリと穴が開く描写がとても好きだ。

またこの作品ではシャオヘイに向かって「おいで」という台詞が多用される。そしてこの台詞を多用する人物が二人おり、その人物というのがフーシーとムゲンである。考えるにこの作品での構成として、フーシーとムゲンが対立関係になるように描かれている。フーシーは過激派妖精の代表としてムゲンは妖精擁護派人間の代表として対極であるがどちらにも優しい妖精の仲間がいて、本人たちも優しい。そこで発言にも似通った部分を用意することでさらにその二人を強調しようと考えたと推測できる。この二人の「おいで」にはどちらも暖かな優しに溢れかえっていて本当にシャオヘイを大切に思っていたのが伺える。

そしてこの内容が中国で作成され日本で吹替されたということによって、この映画そのものに大きな付加価値が生まれたように思える。
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