デニロ

レオン 完全版のデニロのネタバレレビュー・内容・結末

レオン 完全版(1994年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大人になっても、人生はつらい?とマチルダは問う。ボコボコにされているマチルダの顔を見つめながらレオンは答える。つらいさ。

こんなやるせないシーンから始まる物語。その翌日、マチルダがレオンに救いを求めて部屋のブザーを押すシーンの緊張。ブザーの音とマチルダの声なき悲鳴。レオンの逡巡。開いたドア、開けたドア。ひとつのドアがふたつの意味を持つ。その夜、眠っているマチルダを殺そうとして殺せない殺し屋レオンが産まれる。

20年以上前に一度観ているのだがこんな話だったという記憶がない。殺し屋と少女の純愛話という記憶。いや、記憶じゃなくてそういう風に理解をしたんだろうと思う。人生はつらい。だからこそ宗教や芸術、そして愛が産まれる。そのことを描いているんだと思う。

弟の復讐に燃えるマチルダは言う。わたしが欲しいのは愛か死よ。それだけ。家族を殺され大人になったマチルダにはやはりつらい毎日しかないのか。でも、そこにはレオンがいて、ときめきを胸にあなたに恋したかもしれないと言ってみたりする。To be, or not to be: that is the question 葛藤が産まれる。

マチルダは言う。もう大人よ、後は年を取るだけ。レオンはこう返す。俺は年は食ったが、これから大人に。

スタンスフィールドは言う。ブラームスを聞いてみろ、あいつもいい。決して出会ってはいけないふたりを描いていたブラームス。このふたりの後先を予感させる台詞。

今や12歳のマチルダのつらさに共感してしまう女子が世界中にどれほどいるだろう。

1994年製作公開。脚本監督リュック・ベッソン 。

TOHOシネマズ錦糸町 午前十時の映画祭10-FINAL にて
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