ずっと観たくてたまらなかった作品。さすが名作。
あの年代の雰囲気や洒落た古臭さがとても好きだから、この作品はそれを存分に味わえたのも良かった。まずナタリー・ポートマンが可愛過ぎる。
殺し屋にしては温厚で不器用で控え目なレオン。最初そんなイメージが無かっただけに、何とも愛おしく思えてくる存在だった。ただ任務の際はさすがプロでかっこいい。愛すべき主人公。決まり過ぎず、決して怯まず。ジャン・レノのファンになるには事足りる役どころだった。
マチルダに至ってはお転婆でお茶目でレオンとは正反対。それが彼女の魅力。マチルダのファッションは今の流行を先取りしまくってるね。
ナタリー・ポートマンの、無垢な幼さと力強さ溢れる演技には感嘆とした。時折見せる陰鬱で虚ろな表情の中に見え隠れする、レオンへの思いが痛い程伝わり胸に来る。
少女の愛らしさから、セクシーな魅惑の雰囲気まで纏う彼女はレオンにとっていいパートナー。心の支えでもありながら、孤独な中では感じられなかった刺激を与えてくれるマチルダは、必要不可欠な存在になり得ていた。
キャラの個性が非常によく立っていて、悪役のゲイリー・オールドマンの魅力が光り過ぎていた。彼の演技がなければ、あそこまで統制された映画にならなかった。
レオンが守り抜くと決めたマチルダ。ラストに掛けて2人の世界はどんどん上澄みの美しいものに。孤独、苦しみ、痛み、涙、幸福、愛、2人で味わった全てが、身体の奥底から喉へ口へ、溢れ出て行く様を見届けることになる。
今まで拙かった会話ややり取りも今となっては全てが愛おしくなって、言葉で愛を伝える大切さを忘れなかった2人に胸が締め付けられる。最後まで素敵な映画だった。
