STR47

レオン 完全版のSTR47のレビュー・感想・評価

レオン 完全版(1994年製作の映画)
5.0
観葉植物を愛で、ミルクを飲み、ロングコート、ニット帽、ラウンドのサングラスを愛用する孤独な男。
それが本作の主人公、殺し屋レオン。
リュック・ベッソン監督、ジャン・レノ主演、ナタリー・ポートマン処女作、不朽の名作。

麻薬の売人の娘のナタリー・ポートマン演じるマチルダは、最愛の弟を含む家族が皆殺しにされるが、たまたまジャン・レノ演じる殺し屋レオンのおつかいにより出掛けていたことから、難を逃れる。
その後、マチルダはレオンに命乞いと共に、殺しのABCを教えてほしいと懇願する。
しかし、レオンは当初拒むも、マチルダの頭の回転の良さと並々ならぬ闘志に根負けし、少女との奇妙な生活をスタートさせる。

見どころは何と言っても、マチルダの天真爛漫な底抜けの明るさとその内に秘めた弟を殺された復讐心に揺れ動く心情。
そして、戸惑いながらも、マチルダを愛していく悲哀な男レオンのカッコ良さである。
"大人になっても人生は辛いの?"
冒頭、マチルダはレオンに問いかけ、人生は辛いものだと思っています。
しかし、レオンの優しさに触れるに連れて、レオンの愛を感じていきます。
レオンも完璧ではなく、おっちょこちょいな一面があったり、哀しい過去があったりと、ただの残忍な殺し屋ではなく、人間味あふれるところが、何とも共感させてくれます。
そしてマチルダは、レオンにこう伝えます。
"あなたみたいな優しい大人もいるのね。"

レオンとマチルダの関係性、ゲイリー・オールドマン演じる悪徳麻薬取締官スタンの異常性、カメラワーク、ニューヨークの街並み、出演者から脚本、音楽や舞台など全てにおいて、非の打ち所がないと言っても過言ではない。
死ぬまでに、是非ともご覧いただきたい作品の1つです。
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