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スネーク・フライトのbeachboss114のレビュー・感想・評価

スネーク・フライト(2006年製作の映画)
5.0
んなアホな傑作。

頭悪いなりの創意工夫でとことん楽しませてくれる。科学や常識を盾に論理的な批判をするのは不粋。みんなでワイワイ集まってビール片手にツッコミながら観るのが正しい鑑賞法。たまに空き缶やナッツやスルメを画面に投げつけるも良し。

そもそも作り手たちも分かっててやってる「確信犯的なバカ映画」なのに、真面目に正面からツッコんでる連中を見てると可哀想になってくる。さぞかしツマンネー人生なんだろうなって。

確かに、証人一人消すために機内にヘビを送り込むなんて回りくどくて効率が悪いよ。んなこたぁ百も承知。大事なのは、単にヘビをたくさん集めたんじゃなくて、大中小、色とりどり各種そろえるところが「芸」であり、そのこだわりに宿るんだよ、「神」が。

機内トイレで早速おっぱじめる若いカップル。お父さん、お待ちかねのサービスタイム。お約束通り、こいつらが最初の餌食。咬まれる場所も期待を裏切らない「先っちょ」。何故って、そこが女性の一番美味しいところだから。よく分かってるんです、作り手もヘビも。お父さんも。

逆に、男の場合は、味じゃなくて最も咬まれたくない「先っちょ」。他人事ではない恐怖の実感と他人事であるが故の笑いで男性客の心理を弄びます。

乱気流で酸素マスクと同時に一斉に天井からヘビが下りてくる場面なんて、もう圧巻。絵面といい、間合いといい、脚本も監督もノリノリ。これがやりたかったんだろうな。

どさくさ紛れに乗客のピンヒールで踏まれて死ぬヤツいたよね? せっかくヘビの映画に出てるのに(笑)。イケズな悪ノリが炸裂する脚本。ほんと、楽しんで作ってるよな。コロナ禍の中、蒟蒻ゼリーを喉に詰まらせてのたうち回るようなもんか。

ゲームでしか操縦したことのない素人に本物の飛行機の操縦なんかできるわけない、なんて当たり前のことしか言えないような輩は、それこそピンヒールで踏まれて死んでほしい。プレステ2でしか操縦したことがない阿呆なチンピラに命を託すからこそ、サスペンスと笑いが盛り上がるんだよ。

クライマックス、ついにブチギレたサミュエル兄貴が「マザファカ啖呵」を切るシーンでは「いよっ、アニキ!」「待ってました!」と間髪入れずに掛け声を入れてほしい。これぞ体験型映画の醍醐味。つーか、体験型なのか?

エンディングのサーフィンが脈絡ないってか? んなもん、打ち上げに決まってんだろーが。プロデューサーだまくらかして製作費を浮かしたんだろうよ。楽しそうな現場で羨ましいじゃん。和気あいあいとした雰囲気が伝わってくるわ。

この監督、残念なことに、この後、意外と若くで死んじゃったんだよね。調子に乗って製作費で打ち上げなんかやっちゃうから、バチ当たったんだろうよ。
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