安楽死ではなく尊厳死というキーワードを聞いたのはいつだったであろうか?その尊厳死について考える社会派作品。
長年に渡って四股麻痺障害に悩まされた男が尊厳死を願う希望。彼には死ぬ権利があるのか。
不慮な水辺の事故により首から下の自由がなくなった男、20年以上の介護生活を経て辿り着いた自分の中の結論。
周りの親族は賛同すべきか、
決して賛同してはならないのか、
「生きることは権利であって義務ではない」、
物議を醸し出す主張だ。
見終えた後にも、時折、反芻してしまいます。
きっと正しい答えなんて無い。
死を望むことはタブーなのか?
しかしながら、様々な事情により死を望む考えを理解しなければならないと思えるシチュエーション。
尊厳死があってもいいのではないだろうか。
当然のことながら、人によって考え方は異なります。ただ、誰もが安易に死の決断に至らないような整理が必要だと思えた私の中の結論。
「人魚の眠る家」でも考えさせられましたが、家族に迷惑をかけて植物状態を継続するよりは、他人の臓器の役に立った方が合理的であると考えてしまったことを思い出す。
本作品は植物状態ではなく、本人が意思を決めることができる。
だからと言って、全員がそれ(尊厳死の決断)に当て嵌まらないことも理解しなければならないのでしょう。
ホーキング博士のように病気と戦いながら偉大な功績を残したような方がおられることも忘れてはならない。
何が苦痛なのか、それが本筋だと思えました。
実話に基づいたかもしれませんが、恋愛感情の要素は不要に思えました。