nanochi

海を飛ぶ夢のnanochiのレビュー・感想・評価

海を飛ぶ夢(2004年製作の映画)
3.5
尊厳死を支持しているし、国内でも法が整うべきだと思っているけれど、
涙が出たのは、やはりハビエルが追いかけてしまった時だった。家族の愛が詰まっていた、悲しいけれどなんとも美しいシーンだったな

愛している人が望むことを叶えようとするのは愛だけれど、生きていてほしいと思うのもまた愛。それぞれの正解が一致することなんてないし、生きている限りその人を取り巻く状況が価値観を緩やかに変えていくのは、彼女たちを見ていれば明らかだった。意図していたのかは謎だけれど、意外と、女性は現実を柔軟に受け入れてそれに合わせて変容していく生きものに見えた。
それに対して父も兄も変わらない姿勢を貫いていたのが印象的だったけれど、性差ではなくて、肉親だからだろうか、、?

全編通してとにかく何もかもが美しすぎて(音楽も美しい)、美化されて見えてしまう部分もあるのかもしれないけれど、自由と生と愛と家族と死について、誰の視点からも丁寧に描かれていたと思います。みなさん演技がとても繊細だった。
愛する人とみるのは辛いかもしれない。
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