とぽとぽ

長江哀歌(ちょうこうエレジー)のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
市井の人々の暮らしと取り壊された瓦礫の山、沈みゆく街で人探し

山々と山中の廃墟と化してく街並みを背(景)に、あるいは登場人物からすれば向かい合って、すべてを飲み込み淘汰しては一つの潮流となっていく水。生きる上で必要でもあって、それは今となっては昔そこにあった場所を沈め消し去った河を飲んでいることにもなるのだろうか。劇中、何度も女性主人公の水を飲むシーンとペットボトルに入れるシーン(2回)があったのが印象的だった。
【第三期工事の水位156.3m】他にも場所の印刷されたお札の地域性、土地柄に現場での肉体労働。報われない市民の声、腕のない人。そして香港『男たちの挽歌』etc...本作を読み解く上で色々なものがあるけど消化しきるにはまだ当分時間がかかりそうだ。もちろんUFOに、ラストカットの空中歩行も!!
考えだしたら止まらない不思議さ…ジャ・ジャンクー監督らしく相変わらず独特なテンポで何処かヘンテコに紡ぐタイトルに偽りなしのドラマ。語弊を恐れずに言ってしまえばやっぱり変なのよ、それは紛れもなく作家主義的個性を形作っている意図的なものなのだろうけど。日本的な意味合いでのシュールとでも言えるだろうかユーモアのセンスと音楽。クセになる、魅了される。

嫁を買ったんだろ?
煙草 Cigarettes
酒 Liqueur
茶 Tea
糖 Toffee
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