シネラー

バトル・ロワイアルのシネラーのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
4.0
デスゲーム系映画の先駆けであり、
公開当時に国会でも
取り上げられた衝撃作。
久しぶりに鑑賞したが、
残酷描写以上にメッセージ性も
兼ね備えていて、
個人的には好きな作品である。

当然、中学生同士が殺し合うという
設定は残酷であり、
本編内においても目を背けたくなる
表現がない訳ではない。
その点では、万人受けする映画では
ないだろう。
しかし、本作は
中学生の青春模様や疑心暗鬼な
人間描写が良く描かれている事により、
単純な残酷映画に収まっていない
と言えるだろう。
又、そういった人物描写が
回想や行動等によって暗喩される
形になっており、登場人物達の心情が
説明的でないのは良かった。

劇中の最後で語られるのは"走れ"
というメッセージだが、
がむしゃらにでも良いから
理不尽や不条理な事に負けず
生き続ける意味だと解釈している。
初鑑賞した際は、
高校生(中学生だったかもしれない)の
頃だったが、その時は物語の設定や
グロテスクな描写に恐怖しか
なかった。
只、大人になって見返すと
一生懸命に生きようとした中学生達
に対して別の見方が生まれていた。
設定だけで嫌悪感を抱かずに、
中身をしっかり大人にこそ
観て頂きたい映画だと思った。
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