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バトル・ロワイアルのblacknessfallのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
3.6
10年ぶりぐらいかな、観たの。
エッジが効いて批評性もあってバイオレンスもキレキレですごい映画だ!って思ったけど、今回は確かにバイオレンスは凄いが、言うほど批評性やエッジはないんじゃないかと思った。

年に一回、選ばれた中学校のクラス全員が離島で殺し合いするってインパクトはいつ観ても普遍なんだと思うけど。

何のためにこれが必要なのかって理由付けがけっこうフワフワしてるよね?
ナレーションで、国が壊れて大人が自信を失くしてしまったため、とか、教師が言う、子供が増長して大人を舐めるようになったとか、色々提示してるけど、それがこの殺し合いでどう是正され、どんな効果を見込んで何を目的としてるのか、それらをまったく説明してない。
今回はここで躓いてあんまのめり込めなかった笑

学生一人一人の死を主要な生徒は心的背景まで入れ込んで画いてくれてるけど、何も刺さらなかった。
サバゲーや逃走中ぐらいの温度でくつろいで楽しく観れてしまうと言うか笑

でも、だからこそ、気づいたこともあった。
藤原竜也の演劇がかった暑苦しさはすでにこの頃から確立されてんだなぁ、とか、柴咲コウの殺る気満々の悪女っぷりサイコー、以後こーゆー役ないのが悔やまれるよな、とかそんなことを思いながら観てた笑

それと今日死ぬかも知れない極限状態となった時の人間の動きを考察する意味で、様々な選択が見れるいい映画だと思った。

生きるため何のためらいもなく殺人マシーンになれるのもいれば、争いを拒否して想い合ってる相手と心中するカップルもいる。
どれがいい悪いじゃなくて、どれも人間として分かるなって説得力に満ちた生々しさや滑稽さがある。

中でも説得力あるなって思ったのは栗山千明に片想いしてる男子生徒、「明日死んじゃうかも知れないから抱かせてくれ~」って迫るんだよ笑
しょうもないヤツだと思う半面、自分が同じ立場(童貞のガキ)でこの状況に居たら同じ行動を取りそうで、、😂
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