ピュンピュン丸

パピヨンのピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

パピヨン(1973年製作の映画)
3.4
少し前に2017年版の『パピヨン』を鑑賞したため、本家本元の1973年版を見たくなって鑑賞。

見どころは、スティーブ・マックィーンとダスティン・ホフマンの名優対決だが、公開当時はもっぱら、スティーブ・マックィーンがゴキブリを食べるシーンが話題の中心だった…。

2017年版が本作に忠実にできてることがわかったが、2017年版が無実のパピヨンがはめられるところから始まるのに対し、こちらはいきなり刑務所に連行されるとこから始まる。

名優競演の1973年版だが、映画は2017年版のほうが意外にも良かったな。

原因の一つは、映画終盤のマックィーンの演技のひどさ。特に最後の島での老人の演技はもはやコントで、B to Fのビフのよう。わざとらしい腰の曲げ方や歩き方をしてヨボヨボを表現しているのに、ある瞬間は突然風のように速い動きをする。これではまるで妖怪。颯爽たる大スターのマックィーンにはヨボヨボの老人という演技は無理なのかもしれない。(^^;;

もう一つの理由は、ドガの能力はそういう実話だからよしとして、それ以外の登場人物の能力。物語進行上のご都合主義にみえるような、突如として披露される神技だ。不自然で笑ってしまう箇所が幾つかあった。

とは言え、自分は、名優2人、とりわけマックィーンを見れるだけで満足。^ ^

自分は、本作を勝手に『大脱走』の続編として鑑賞してみたりした。手の込んだ策より単純明快な方法で脱走を成し遂げようとするマックィーンだが、何度も失敗を繰り返し、最後に究極に単純ともいえる方法で見事に脱走に成功したのだ…

最後に自由を手に入れたパピヨンだが、本当の幸福が戻った現実社会にあったかは疑問だ。本当の幸せは無理せずとも、すでにどこかで一瞬でも手にしていたのかもしれない、とも思う。