【名作を観ようシリーズNo.120】
《世の中で大切なものは、煙のようなもの…》
名優ハーヴェイ・カイテル主演の珠玉のハートフルドラマ。
90年代は、ミニシアター系映画の傑作が多く、その中でもファンが多い作品。
ソフト所有で再鑑賞。
NYブルックリンのタバコ屋店主オーギーをシブいハーヴェイ・カイテルが好演。
ウィリアム・ハート、フォレスト・ウィテカーも魅せる、ほろ苦くも温かい”人間賛歌〟。
本作で描かれる、”人の慈しみ〟。
初鑑賞は20代。30代でも観たけど、40代になった今、ようやく本作の真髄を味わえたように思う。人生の喜びも苦さも凝縮された濃厚な40代だから…（苦笑）
世の中、真実がすべてではない。タバコの煙のようにつかみどころのないもの…、白か黒ではなくタバコの煙のようにボヤッとした灰色の部分もないと人間社会は窮屈になるだろう。
美空ひばりさんの名曲”愛燦燦〟の歌詞が思い浮かぶ…
”それでも過去達は優しく睫毛に憩う…、人生って不思議なものですね…〟
優しさが沁みる秀逸なラスト。50代になってまた味わいたい、そんな名作です。
