ユースケ

ダークナイトのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

自らの意志で善悪を判断し、自らのルールで犯罪者を裁くバットマンの正義も、法律を厳守し、法律の下で犯罪者を裁くハービー・デントの正義も、警察組織として犯罪者から市民を護るジム・ゴードンの正義も、彼の前では単なるお題目。彼の目的は金でも、権力でもなく、人間の倫理や道徳をぶち壊し、悪の道へ誘惑する事。しかも、彼にとっては全てがジョーク。常に正義の一歩先を行き、正義を翻弄し続けるジョーカーに高揚感や爽快感を感じさせてしまうヤバイ作品。

IMAXカメラで撮影された映像も、それぞれにイデオロギーを持った登場人物も、「正義とは何か?」「善と悪とは何か?」というテーマも素晴らしいのですが、本作の一番のみどころは、命と引き換えに映画史に残るジョーカーを作り出したヒース・レジャーの怪演。
仲間同士を裏切らせ、スマートに金を独り占めにする銀行強盗シーンも、バットマン を完全に打ち負かし、夜風を浴びながらパトカーで箱乗りをキメるシーンも、見事なアドリブで爆破の遅れを調整する病院爆破シーンも、ジョーカーの登場するシーンは全て名シーン。

一ヶ月間、ホテルの一室に引きこもって精神病院気分を味わい、【時計じかけのオレンジ】と【セックス・ピストルズ】と【イギー・ポップ】を融合させてジョーカーを作り出すも、狂気に取り込まれてしまい28歳の若さでこの世を去ったヒース・レジャーに敬礼。

とりあえず、丸々不要な香港遠征は、【007】を愛するクリストファー・ノーラン監督の夢だと思って流しましたが、レイチェル・ドーズが可愛いケイティ・ホームズからおブスなマギー・ジレンホールへのヒロイン・チェンジは許せませんでした。

ちなみに、前作のラストでゴードン警部補が語っていたジョーカーの経歴は武装強盗、殺人の前科2犯。しかし、本作のジョーカーは指紋もDNAも歯型も全て該当するデータ無し。果たして、彼はホンモノのジョーカーだったのでしょうか…

最後に、原作となったアメコミを紹介。
【バットマン : ロング・ハロウィーン】
【バットマン:ダークビクトリー】
【バットマン:キリングジョーク】
全部読め。