べーた

ダークナイトのべーたのネタバレレビュー・内容・結末

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

さあお待ちかね、ダークナイトトリロジー3部作2作目にして最大の山場。
シリーズを見始めたのもほぼこの「ダークナイト」を見るためで、まじで周りからの前評判がすごかったから後先考えずにめちゃくちゃ期待しました。笑


やっぱり噂通りに主人公はジョーカーでした。
序盤では不気味な愉快犯だった彼から段々と秩序の見えない狂気と一貫した信条が見えてくると、その存在が作品内で凄味を増していきます。
なによりヒース・レジャーの立ち居振る舞いとその映り方が圧倒的におしゃれでかっこいいところが、この映画を傑作にしているということにはもう間違いないです。
登場の仕方、逃げ方、追い方、捕まり方、その全てに気品があるように感じさせてしまう演技は陳腐な表現ですが圧巻の一言。
おしゃれは余裕と知性、かっこよさは生き方の主体性なのかなと思います。
社会的なポジションは日本で社会問題に挙げられる「最強の人」と変わりないんやけどね笑

もちろんそう見せているの映像の美しさもすごい。構図とか物の置き方のセンスがえぐい。
ちなみに一番好きだったジョーカーの絵は拘置所を脱出する際にパトカーから身を乗り出している数コマ。パトカー×ジョーカーの色合わせが最高。


でも一方で、バットマンを完全に脇役と見放せるわけではないのも事実。
瓦礫の中からバイク姿で復帰するバットマンと、役目を果たして自爆する前のバットモービルが発する“Good Bye”のツーショットがどう考えてもかっこよすぎる。
この、バットマンが思ったより活躍してるてところが、一番思ったのと違ったかな。


2時間20分の作品なんやけど、終盤が少し冗長に感じてしまって、それが自分の映画観の足りなさだと思うと悲しい。
全編に渡ってジョーカーを含め登場人物の行動原理が丁寧に論理的に描かれてて、その綿密でミスのない作り込みは有名な監督なだけあるなと思う。クリストファー・ノーランプロい。
その上で自分にはこの人の作る賢い映画は向いてないんやと改めて思う。昔何人もの知り合いに強く勧められた「インター・ステラー」を観た時に、わけわからんくて困惑した経験がある。笑
感じた終盤の冗長さはおそらくこの監督にとってストーリーの筋を通している部分だと感じるから、不要な場面どころか一般的には最高の着地だと言われればそうでもあるんやろと思う。
でも「純粋な悪」を体現しながら「悪の普遍性を示すこと」をモチベーションとするジョーカーと、それに対抗する動きをするバットマンの考え方は理解しやすいように示されてて天才やなと思った。
ジョーカーのいう人間の醜さと支配の無意味さにはかなり共感する点もあるけど、結論は相容れないなと。それは良かったかな。

なんだかんだ言って今までで一番文字数書いてる鑑賞記録かもしれない。語りたいところの多い大きな映画やった。
べーた

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