ガブXスカイウォーカー

アメリカン・パイのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

アメリカン・パイ(1999年製作の映画)
3.5
以前観たのはたしかレンタルビデオの時代だから、十数年ぶりの観賞。
ただのドタバタ下ネタコメディとあなどるなかれ、高校生男子たちの青春を見事に描き切った佳作である。

ケヴィン「一生童貞のまま終わりたくないなら確固たる信念を持って立ち上がるべきだ! 未使用のポコチンに永遠の別れを告げるのだ! セックスできない男たちを代表して我々は闘いを挑む! 俺たちの時代がもうすぐやってくる! 童貞のまま歴史に埋もれてたまるか! 男になることをここに誓うぞ! 我々はこの目的を必ず達成する! さあみんなセックスしようぜ!」
この熱いセリフがすべてを語る、実にわかりやすいプロット。
はたしてジム、オズ、ケヴイン、フィンチの童貞4人組は高校卒業までに男になれるのか?

名場面満載だが、個人的にとくにおかしかったのは、
ジムがママの焼いておいてくれたアメリカンパイの感触に欲情し、ポコチンを突っ込んでオナニーするところ(これがタイトルの由来なのか!?)。しかもその現場をパパに見られてしまう。パパが理解のある人でいっさい責めないのがまたツライ。
もし俺だったら、その場でパパを殺して自殺する!

もう一つは、
ジムの部屋で一人になった留学生ナディアが隠しカメラでネット中継されていることを知らず、パンツ一丁になってオナニーを始めるところ。覗き見していたジムは我慢できず部屋に入っていくけど、そこは童貞の哀しさ。なんと触られただけで2回も射精してしまい、やれずに終わる。しかもクラスメイトたちがネット中継を見ていたので笑い物になってしまう。
もし俺だったら、クラスメイト全員を殺して自殺する!

製作年は1999年。約20年前のアメリカはすでに高校生たちがパソコンでメールのやり取りやネット中継(さすがに現代と違って画質は粗い)を行っていることに驚いた。当時の日本はまだまだパソコンすら持っていない人も多かったぞ。

話はそれたが、色々あってジム、ケヴィン、フィンチは童貞を卒業する。
映像ではオズは彼女のヘザーとやっているようにも見えるんだけど、ラストの会話では
ケヴィン「オズは惜しかったんだよな?」
オズ「最高に幸せな夜だったよ」
ケヴィン「次はいけるさ」
ジム「ガンバレ」
オズ「いやー俺たち恋に落ちたみたいなんだ」
色々と解釈できるが、4人全員が同時に童貞を卒業できないのはリアルだ。
傑作なのは結局、恋人ができず、同級生のママとやってしまったフィンチ。
フィンチ「実感したよ。女とワインは熟すほどうまくなる」
けだし名言である。