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ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのmasaのレビュー・感想・評価

4.3
ポール・トーマス・アンダーソン監督。主演はつい最近60才で引退を表明したオスカー3度の名優ダニエル・デイ=ルイス。

石油採掘によってアメリカンドリームをかなえた男の利権争いと血塗られた歴史を描いている。

石油ブームに沸く20世紀初頭のカリフォルニアで鉱山労働者として働くプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、幼い息子と一緒に石油採掘事業に乗り出していき……異様なまでの欲望で富と権力を手にしていく。

ダニエル・デイ=ルイスの演技が凄まじい。冷徹な石油王か破滅していくまでを熱演している。人間の醜い計り知れない欲望を炙り出している。

映画が始まってすく、石油採掘のシーンが誰も言葉を発せず15分位ずっーと映している。なんだか凄いリアル感だ。人間破滅する時は簡単に破滅してしまう。
とにかく為になった映画というか、一人の石油王の人生を通して、自分の心の中に深く生きることはなんぞやと考えさせられた。

深いなー。この監督にはいつもやられる。現在、過去と数いる映画監督のなかでも最高の映像作家の一人だと思う。

ダニエル・デイ=ルイスの引退が惜しい。今年のクリスマスに北米で公開予定の彼の最後の作品がまたPTA監督の作品らしい。早く観たいものです。
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