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サムライのnekosukiのレビュー・感想・評価

サムライ(1967年製作の映画)
3.9
これまで酷い映像の「サムライ」をながら観で細切れでしか観たことがなくてイマイチ良さがわからなかった。
今回最高画質で通しで観ることが出来て良かった‼️

オープニングから圧倒されて緊張感で息苦しいくらい。アラン・ドロンといえば、肩幅が広く下半身が細い体型で何を着ても様になるからトレンチコートの襟を立てれば殺し屋がバッチリキマる。

元々演技の下地がなく自らの美貌だけで成り上がって来たと思えるのに何を演らせても自分のものにしてしまうところが凄い❗
本人も『演じるのではなく役を生きる』と言っていた。好きなことを仕事に出来たのも幸せなことだそうだ。

寡黙な殺し屋は小鳥を飼っていて、帰宅した際の小鳥の不審な動きからただならぬ気配を感じて警察が仕掛けた盗聴器を見破ってしまう。ここのあたりの監督の演出は冴えている。流石巨匠‼️

50年以上も前の作品で全てがアナログ、携帯電話も出てこない。当時の街並みや丸みを帯びた車のフォルム等、どこを切り取っても素敵でオシャレ。

フランス映画に力があった時代の名残りを感じる。
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