みむさん

ベルリン・天使の詩のみむさんのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
5.0
リメイクの「シティ・オブ・エンジェル」も両方好き。

モノクロの映像。冒頭にビルの屋上のオブジェの上に立つ翼の生えたスーツ姿のおじさんはブルーノ・ガンツ。

彼の目には世界がモノクロに見える。彼の姿は子供たちには見えるが大人には見えない。

天使は悩みを抱えた人々をみつけると、そっと手を肩に置く。人々は晴れやかな表情に。天使もそれを見て自分も幸せを感じる。このあたりの流れがとても好き。

天使がスーツを着たおじさん、しかも二枚目じゃないところが親しみがわき、ちょっとおかしな感じもするんだけど、それがいいんだ。しかもベルリンのモノクロの町並みとミョーにマッチしてるし。

そんなおじさん天使も女性に恋い焦がれる。微笑ましいし、ファンタジックだし、それでいてどこかシュールな設定。


モノクロで流れていた町並みがカラーになる瞬間、主人公と同じような高揚感を味わえるのが不思議。

なにもかもが珍しい、なにもかもが初めて、そんな堕天使のダミエルの人間界でのういういしさが微笑ましい。

彼は気持ちは天使のままなんだから、まさに天使のような人に愛されたヒロインは幸せだろうね。

これベルリンの壁崩壊前の映画なんだよね。
偶然にも1つの壁を乗り越えたダミエルに幸アレ。