さわだにわか

死霊のはらわたのさわだにわかのレビュー・感想・評価

死霊のはらわた(1981年製作の映画)
3.9
俺がはらわたを初めて観たのはたしか中三ぐらいの時だと思うが、レンタルビデオ屋で借りてきたビデオで朝早く起きて一人で観てたら地下室のゾンビが大声で喚きながら床の扉ガッタンガッタンやってるところで音声がぐにゃりと気味悪く変形してそのままプツッと映像切れてビデオ排出、何が起こったのかわからず呪いかと大変怖い思いをした。事実は言うまでもなく単にテープがすり切れただけなのだが(怖いシーンだからそこだけ繰り返し観た人が多くテープが摩耗していたのだろう)その体験は強烈なものがあり、今でもはらわた1は世界で一番恐いゾンビ映画だと思ってる。

で今回シネマート新宿でリバイバル上映が始まったので行ってきたらさすがに記憶の中ほど恐くはなかったが、それでもゾンビメイクは数多あるゾンビ映画の中でももっとも恐いんじゃなかろうか、あの白髪白眼の見た目のゾンビが襲ってきたらあまりの恐怖に硬直して失禁しながらそのまま食われるかなんかしてしまうに違いない。山小屋でのゾンビと人間の戦いというマジでそれだけの物語をパワフルな演出1本で見せきる本当にシンプルな映画だが、シンプルだからこそゾンビの恐さも生きるというもの。即席簡易ステディカムによる悪霊目線の移動撮影も仕組みは素朴だが単純に恐く、続編に比べて展開やアイデアの面白味は少ないが、いろいろとアイデアを盛った続編はスラップスティックコメディになっちゃったので、ホラー映画としてはこれで正解なんだと思う。とにかく恐いヤツが襲ってくる!そのシンプルを息切れせずにやりきるのが実はホラー映画ではいちばんむずかしい。

作品として好きなのははらわた2の方だが、この1作目は今や古典的傑作として、やはりホラー好きなら人生で一度は観ておきたい。リバイバルやってるうちにもっかい観てこようかな。
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