個人的にしんちゃん映画で一番好きな時期は原恵一監督期なのだが『ヘンダーランド』は初期のしんちゃん映画では一番好きで、このあいだ原恵一と本郷みつるのトークショー聞きに行ったらヘンダーランドはプロットはあったものの具体的な脚本は存在せず、本郷みつると原恵一が漫才のボケとツッコミのように（原恵一談）ライブ感覚で作り上げていったものらしいというから、なるほど本郷みつると原恵一の個性がうまいことブレンドされた結果がヘンダーランドだったんだなぁと納得。
前に見たのは8年ぐらい前で、改めて見ると意外とあっさりした映画という印象を受けたのだが、マカオとジョマとのとんちのような対決や実は最初から決まってたわけではないというス・ノーマン・パーの意外な正体などが醸し出す童話ムードが見事で（これは本郷みつるのカラーだろう）、やはりしんちゃん映画の名作。原恵一的な日常的でリアルな怖さと本郷みつる的な夢あふれるファンタジーの世界が歪なりに違和感なく融合した映画だなぁと思う。
