ザリくん

インビジブルのザリくんのレビュー・感想・評価

インビジブル(2000年製作の映画)
3.4
有名なSFサスペンス映画であると知っててその不穏なパケや、キャッチの「姿は見えないが、殺意は見える」から怖い映画だと思っていた。

蓋を開けると透明人間になってえっちなイタズラをするというしょうもないことを当時の最先端VFXで全力でやる作品だった。確かに怖いといえば怖い。(ラスト30分は普通にサスペンスというかパニックホラーやってた)
ちなみに殺意がある時は姿が何かしらで見えているのでやはりキャッチ詐欺。

猿や人間の体組織が徐々に消えていったり現れたりする生々しい演出が見どころ。血管、骨、内臓、筋肉と段階を追って見え隠れする映像表現(20年前なのでCG臭さはあるが)はSFとして非常に興奮する。
そんなに肉体の内部が見えるのに、この映画において主人公と視聴者の頭の中にあるのは表面的な皮一枚(美女のヌード)しかないというのは何とも皮肉である。皮と肉。

その主人公は、バイオ研究の天才科学者セバスチャン博士。若いイケメンで良い体で前途有望な頭脳を持ち合わせているが、奇行癖で秘密主義でプライドが非常に高い、そして実害があるタイプのスケベ。
性的嫌がらせ行為が環境ストレスで加速して最終的に殺人鬼と化す。
軽い気持ちでセクハラしてると(セクハラも重罪ではあるが)負の積み重ねが止まらなくなって最後には火炙り処刑されてしまうよというポリコレ映画かもしれない。

彼は自身の人間性が失われていくことを「体が透明になりすぎると心まで透明になっていく」と表現していた。私は肌の色が薄いので心の強い真っ当な人間になるために日サロに通おうと思った。

男性の陰部は普通にモザイクかかるのにいざ透明化して海綿体になるとモザイク消えるの面白かった。
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