自由意志のもとに売春を働いている女子高生(倉吉朝子)が、町のチンピラを統括するスケバンの存在意義を考えあぐねる。高山銀之助の原作を映像化している、日活ロマンポルノ。日活アクション時代の殺陣師が復帰している。
いわゆるひとつの「ズベ公もの」に相当する作品。主人公と関係している人物は、社会的底辺の位置に立たざるを得なくなった、訳ありの人間ばかり。そんな者たちが、チンピラの人間模様に取り込まれていく。
物語本編では、主人公の義兄(阿部徳昭)とその姉(小川恵)、そして親友(水紀ゆき子)を中心に据えたドラマが展開。折檻、レイプ、集団リンチなど、「チンピラの生態」を観察するための見世物映画になっている。
ただし、グループ間抗争を描いているわけではなく、個人の心の動きを追っている展開のため、観念的かつダウナーな雰囲気が強い。全裸のままでダンボール箱に入れられた主人公が、真っ昼間の公道に箱ごと投げ捨てられるシーンが印象鮮烈。