がちゃん

白昼の幻想のがちゃんのレビュー・感想・評価

白昼の幻想(1967年製作の映画)
2.5
B級映画制作の帝王ロジャーコーマンが、
ジャック・ニコルソンの脚本を自ら演出した作品。
LSDによる幻想の視覚化を試みています。

冒頭、
LSDがもたらす幻覚は強烈で、
一般市民にまで浸透すれば社会は破綻するだろう云々といった、
もっともらしいテロップがでる。

映画監督のポール(ピーター・フォンダ)が、
友人ジョンの家を訪れ、LSDを体験する。

ストーリーはこれだけです。
あとはサイケデリックな色とイメージの洪水。
突然BAD TRIPしたり、
現実と幻想の堺がわからなくなったりする。

「イージー・ライダー 」でも、
TRIPする場面がありますが、
この作品はその部分を拡大強化したような感じ。

この作品を観て改めて思ったのは、
60年代カルチャーとフラワームーブメントは、
LSDなしでは語れないということです。

Beatles中期の傑作「リボルバー」や「サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」
などはまさしくドラック・カルチャーが創りあげたものであるといえるし、Doorsに代表されるサイケデリック・ロックもそうです。

LSDをやると、
感覚が研ぎ澄まされ、
すべてに生命が宿っているように感じ、多幸感にひたれるらしいのですが、私は、BAD TRIPしてしまうのが怖いです。
形容しがたい悪夢、それから逃げることができずに、
自殺するものもいるという。

私にとってのTRIPは、
お酒を飲みながらいい気分で野球を観るぐらいが、
ちょうどいいやと思ったのでした。
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