どう転んでも人情喜劇じゃないのという題名、出演者とは裏腹に最後の展開は妙に後味の悪い作品。おい、だれがこんなにした←山田洋次。
主役はハナ肇。クレージー軍団も犬塚、谷啓と出てくるからスカッとさわやかだと思うも全然そんなことないからな。ハナは貧乏家族の家で育つ。そこに悪地主のおっさんが土地を求めてババアを強引に説得。さらには村一の美人のとこに盛装してきたハナを村民みんなでバカにするという、おなじみ村落いじめ作品。小説なら長塚節とかが得意とする展開ね。
そして怒りに燃えたハナはタンクで各家庭を怖しまくる。あれ、これ田中登の「丑三つの村」と同じじゃん。でもアッチは猟銃、こっちは戦車。バカ度はこっちのが上だね。
戦車で家庭蹂躙するハナ。うーん、でも結構間延びな展開にあくびが出ちゃう。そんなこんなしているうちに事件が起きて。ああここからは喜劇でなくなっちゃったよ。観ているこっち置いてけぼり。最後の展開なんかおいおい、お前は海亀か!って突っ込んでしまいますよ。なんだこれが止まらないからな。
馬鹿映画として見るのが吉も山田洋次なんで妙なペーソス入れるんじゃないよって気になっちゃう。笑えばいいの、泣けばいいの、どっちって気になるからな。
美人役にはおなじみ岩下志麻ネエ。このころはまだカマトトキャラ。極妻になるのはもうちょっと先。美人で立派で満足です。
昔バカ映画のフリーペーパーを書いていたころ見たんだけど、久々に観たらバカ映画というにはしんみりしすぎ。うん、ちょっとハナ肇にもシンパシーですよ(ハードルが低い)。